台風報道でよく耳にする単位、「ヘクトパスカル」について解説します。
この単位は台風の強さを定量化する際に欠かせません。
この記事ではヘクトパスカルの意義とその重要性について詳しく説明し、さらに台風の中心気圧がどのようにして台風の強さを示しているのかを紹介します。
台風の中心気圧とその単位ヘクトパスカルについて
天気予報でよく取り上げられる「中心気圧」に焦点を当て、解説します。
なぜ中心気圧がヘクトパスカルという単位で表示されるのか、その理由と背景について詳しく説明します。
また、ヘクトパスカルが気象学においてどのように利用されているのか、その意味と重要性についても深掘りします。
ヘクトパスカルの定義とその使用方法
ヘクトパスカルは、周りの気圧を測るための単位で、一般的に「hPa」と表記されます。
「ヘクト」という言葉は100を意味するため、ヘクトパスカルはパスカルの100倍の圧力を示し、これは1平方メートルあたりに100ニュートンの力がかかることを表します。
ヘクトパスカルという名前の由来
ヘクトパスカルは日常生活ではあまり使われませんが、気圧を示す際に一般的に使用される単位です。
この単位は通常「hPa」と略され、その名称はフランスの著名な科学者ブレーズ・パスカルから取られています。
パスカルは多くの名言で知られており、この単位の「P」は彼の姓の頭文字に由来します。
ミリバールとヘクトパスカルの違い
国際的に使用されていたミリバールは、国際単位系（SI）には含まれない非SI単位でした。
現在では主にヘクトパスカルが使用されています。
ミリバールもヘクトパスカルも気圧を表す単位として用いられますが、それぞれが異なる単位系に属しています。
ヘクトパスカル採用の背景
ヘクトパスカルが正式な計測単位として採用されたのは、1992年12月1日に行われた計量法の改正を通じてです。
この改正は国際単位系（SI）への準拠を目的として実施されました。
特に重要なのは、新しく導入された1ヘクトパスカルが、以前から使用されていた1ミリバールと数値上等価であることです。
すなわち、1mbarは1hPaと同等です。
台風の強さとヘクトパスカルの関連性
天気予報で台風の情報を伝える際には、ヘクトパスカル（hPa）という単位が頻繁に使用されます。
この単位で表示される数値は気圧を示し、一般的に数値が低いほど台風は強いと認識されます。
しかし、なぜ低気圧が台風の強さの指標となるのでしょうか？
ヘクトパスカルが示す台風の強度
ヘクトパスカル（hPa）は直接的に台風の強さを示すわけではありませんが、台風の中心気圧として使われるため、この数値は台風の強度を評価するための重要な指標となります。
例えば、1961年に高知県室戸岬西で上陸した台風は、上陸時に記録された中心気圧が925hPaで、これは歴史的に非常に低い気圧であり、第二室戸台風として知られる大きな被害を引き起こしました。
以下は台風の強度を理解するための基準です。
- 1013hPa以上：通常の気圧
- 990hPa以上：弱い台風
- 960～989hPa：普通の台風
- 930～959hPa：強い台風
- 901～929hPa：猛烈な台風
また、風の強さも台風の影響を評価する重要な要素で、高気圧から低気圧への風の動きや等圧線の間隔が狭いほど、風速が増すことが台風の強さに影響します。
台風の強度と影響範囲の判断基準
台風が接近する際、その「強度」と「影響範囲」は注目するポイントです。
これらは台風のもたらす影響や潜在的な被害を評価する上で欠かせない要素となっています。
気象庁では、台風の強度を最大風速と強風域の広がりを基に分類しています。
台風の強度による分類方法
台風の「勢力」は最大風速に基づき、以下のカテゴリに分類されます。
- 強い：最大風速が33m/s（64ノット）以上〜44m/s（85ノット）未満
- 非常に強い：最大風速が44m/s（85ノット）以上〜54m/s（105ノット）未満
- 猛烈な：最大風速が54m/s（105ノット）以上
これらのカテゴリは、台風がもたらす風の強度とそれによる影響の違いを示しています。
台風の大きさに基づく分類
台風の「大きさ」は、15m/s以上の風が吹く範囲の半径で区分されます。
- 大型：半径500km以上〜800km未満
- 超大型：半径800km以上
この分類によって、大型および超大型の台風が広範囲に影響を与える可能性があることが示されます。
台風の中心気圧の測定方法
「中心気圧」は台風評価にとって必須の要素であり、その測定方法は場所によって異なります。
台風が主に発生する太平洋上では、陸上や近海の船舶を用いて直接気圧が測定されます。
しかし、遠隔地の海上ではどうやって測定するのでしょうか？
このような場合、気象衛星「ひまわり」が大きな役割を果たします。
衛星を利用して雲の形状や動きを分析し、遠い海上で発生する台風の中心気圧を推定することができます。
これにより、台風の強度や影響を予測するための重要な情報が提供されます。
まとめ
台風の中心気圧とその単位であるヘクトパスカルについて解説しました。
中心気圧は台風の強さを示す一つの指標とされていますが、これが全ての台風に当てはまるわけではありません。
さらに、最大風速や暴風域の広さも台風の分類において重要な要素となります。
これらの情報を理解し、適切な防災対策を講じることが必要です。
